角度の単位(rad)とは?【番外1】

このブログには「広告」を含む記事があります。

角度の単位(rad)ラジアンってよく登場するんだけど、イマイチよく分かっていないという人は多いだろう。普通に人と話をするときには(°)で問題はない。しかし、公式の中や理論式の中では(rad)を使わないとならない。

今回は番外編として、角度の単位(rad)について簡単にまとめよう。

この記事でわかること
  • 円周率は「円周の長さが直径の何倍か」を表したもの
  • 角度の単位(rad)とは、半径 ”1” の扇型の円弧の長さを使って、先端の角度の大きさを表したもの
  • 360(°)= 2\(\pi\)(rad)、180(°)= \(\pi\)(rad)
  • 任意の角度★(°)= \(2\pi\times\large\frac{★}{360}\)
  • 先端の角度の単位が(rad)のとき、(円弧の長さ)=(半径)×(角度)

まずは円周率 \(\pi\) について

ラジアンの話に入る前に円周率について少しだけ説明しよう。

円周率って当たり前みたいに使っているけど、そもそも何だろうか?平たく言うと、円の直径に対する円周の長さの比率を表したものだ。つまり、円周の長さは直径の何倍か?を表したものが文字通り「円周率」ってわけだ。

ある直径 d の円があるとすると、その円周の長さは\(\pi d\)となる。

(少し語弊があるかもしれないが)この円周の長さを利用して、半径”1”のときの(円弧の長さ)を角度の大きさを表現する物差しにしたのが(rad)ラジアンだ。

こういうものには「なんで?」とかそんな疑問は持ってはいけない。1(g)ってこのぐらいの重さなんですよーと言われて「なんでそれを1(g)にしたんだ!」って言っても仕方がないだろう。(実際には理由がないってことはないだろうけど、そこまで掘り下げる必要はないってことだ)

(rad)ラジアンとは?

もう一度言おう。半径”1”のときの(円弧の長さ)を角度の大きさを表現する物差しにしたのが(rad)ラジアンだ。言葉だと分かりにくいが、上の絵を見てもらうと少しはイメージできると思う。

どういうことか?具体的に図を見ながら考えた方がいいだろう。

まず、分かりやすく丸々一周分、つまり360(°)はどう表現できるだろうか?さっき説明した通り、半径1の円の360(°)分の円弧の長さ(つまり円周の長さ)は直径に円周率\(\pi\)をかければいいので、”2\(\pi\)”になる。これが360(°)に相当するということなので、360(°)= 2\(\pi\)(rad)ってことだ。

では次に円から一部を切り出した扇型を考えてみよう。例えば、下の絵のように円弧の長さが ”1” になるように扇型を切り出した場合、その先端の角度は定義から 1(rad)になる。さらに、もし円弧の長さが ”2” になるように切り出せば、先端の角度は 2(rad)だ。

理解できただろうか?円弧の長さがそのまま角度の大きさを表しており、このときの単位を(rad)と呼ぶことにしたわけだ。

では、任意の角度を(rad)で表したいときはどうすれば良いか。例えば、先端の角度が★(°)の場合を考えてみよう。これも、要は半径 ”1” のときに円弧の長さがどれくらいになるかを考えればいいので、下の絵のように考えれば簡単だ。つまり、任意の角度★(°)は \(2\pi\times\large\frac{★}{360}\) というように表すことができる。★のところに自分が求めたい角度(°)を入れれば(rad)に変換される。

POINT
半径”1″の扇型の円弧の長さを利用して、先端の角度の大きさを表現したものが(rad)ラジアン
360(°)= 2\(\pi\)(rad)、180(°)= \(\pi\)(rad)
任意の角度★(°)= \(2\pi\times\large\frac{★}{360}\)

(rad)ラジアンの最も大事な性質

上で説明した(rad)ラジアンの定義をより一般的なケースに拡張してみよう。そうすると、最も重要な性質が見えてくる。

さっき見た半径 “1” で角度 1(rad)の扇型の上に、同じ角度で半径 ” r ” の扇型を考えてみよう。さっき説明した通り、半径 “1” の場合の円弧の長さは “1” だ。では、半径 ” r ” の場合はどうだろう?この2つの扇型は相似形なので、半径が r 倍になったということは、円弧の長さも r 倍されて、 ” r ” になる。

先端の角度が 2(rad)ときも同じように考えると、半径 ” r ” の場合の円弧の長さは ” 2r ” となることが分かるだろう。

ここで何が言いたいかというと、ある角度 \(\theta\)(rad)を先端に持つ扇型の円弧の長さは、半径に \(\theta\)(rad)をかけたものになる、ということだ。

これは非常に重要な性質だ。材力だけでなく、物理系の学問でときどき「\(\theta\)が十分小さいという条件下で\(\sin\theta\)を\(\theta\)で近似する」みたいな近似が出てくるが、これは角度(rad)の性質を利用したものだ。材力でも頻繁に登場する。

なんでこんな近似ができるか、については次の記事で解説したい。

「sinθをθで近似する」ってどうしてそうなるのか詳しく説明します。【番外2】

とにかくここでのポイントは次の通り。

POINT
先端の角度の単位が(rad)のとき、(円弧の長さ)=(半径)×(角度)
この記事でわかること
  • 円周率は「円周の長さが直径の何倍か」を表したもの
  • 角度の単位(rad)とは、半径 ”1” の扇型の円弧の長さを使って、先端の角度の大きさを表したもの
  • 360(°)= 2\(\pi\)(rad)、180(°)= \(\pi\)(rad)
  • 任意の角度★(°)= \(2\pi\times\large\frac{★}{360}\)
  • 先端の角度の単位が(rad)のとき、(円弧の長さ)=(半径)×(角度)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です