引張圧縮の不静定問題に関する練習問題と解説にトライして、さらに考え方を身につけよう。
今回の難易度は「 」です。

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この材力練習問題を解く上でのポイント

今回の問題を解く上でのポイントは以下の通りだ。
ポイントが理解できていないと感じる人は以下の記事を読んでみてほしい。



この材力練習問題の解き方
どんな問題もそうだが、シンプルな形というか、それぞれの負荷形態における基本形の組合せに問題を置き換えることが大事だ。
複雑そうに見える問題ほどシンプルな状態の組合せに置き換えて、一個ずつ丁寧に解いていく必要がある。
引張圧縮問題におけるシンプルな形は下図のようなものだ。

両端に引張荷重を受ける棒の変形と、ある横断面に働く応力は上のように表せる。
ヤング率Eは材質によって決まるもので、断面積や長さは材料の寸法で与えられるものなので、重要なことは荷重Fを正しく見極めることだ。
何度も言っていることだが、『自由体の考え方』を使って内力の伝わり方を把握すれば、この荷重Fを正しく見積もることができる。
という訳で、シンプルな形に分解していこう。
基本的には何か状況が変化するところで切り分ければいい。今回の場合は、下図のようにA、B、C、Dの各面で切断することを考えるのが自然だろう。
しかし、ここで問題が出てくる。C面に働く外力は、、、どこに描けばいいだろう??(下図)

しっかりと自由体図の意味を理解していれば、正直どっちに外力を描いてもいいことが分かるのだが、ここではもっと納得しやすい方法を紹介したい。
それは下図のように『外力の作用する部分だけを薄く切り出す』ことだ。
この薄ーく切り出した部分も当然自由体として考えないといけないので、切り出した面には内力が働く。
つまり、全体的な自由体図は下図のように描くことができる。これで外力をどこに描くか迷う必要がなくなる。
考え方としては、この外力が働いている自由体を出発点にして、外力(P)により右側に向けて負荷を受けているので、左側で繋がっていた部分からは(薄い自由体が右に行かないように)左向きに引っ張る力を受けることが想像できる。これをQとする。また、右側に繋がっていた部分からは(薄い自由体が右に行かないように)左向きに押し返す力が働くだろう。これをRとする。
ここまで仮置きできれば、これら(QとR)を「作用・反作用の法則」と「平衡条件」を使ってどんどん繋げていけばいい。

このように自由体図を描ければ、薄い自由体の平衡条件から『Q+R=P』という条件式が得られる。
これ以外に平衡条件から得られる条件式はないので、これだけでは未知の内力QとRを決定することができない。
このように平衡条件だけでは内力の全貌を決定できないような問題を『不静定問題』という。
不静定問題を解く(内力を把握する)ためには、もう一つ条件が必要になる。それが『変形の条件』だ。

『変形の条件』を見極めるために大事なことは、変形をイメージすることだ。どの部分がどういう変形をするのかを鮮明に想像することで見えてくる。
もう少しポイントを言うと、不静定問題は材料の変形が拘束されているせいで起きるものなので、『どこが拘束されているのか?』『その拘束のせいでどの部分の変形が決まってしまうか?』を考えながら、変形をイメージすると良いだろう。
今回の問題の場合は、両端を壁で固定されており、これが不静定問題を引き起こしている拘束だ。これによって、各部分の変形はどうなるかまだ現時点では分からないが、『材料全体の長さは絶対に変わることができない』、これが今回の変形の条件だ。

変形の条件を見極めることができたら、それを数式化する必要がある。今回の場合はA〜Cの引張を受ける部分とC〜Dの圧縮を受ける部分があるので、全体の長さが変化しないためにはこれらの伸びと縮みが相殺する必要がある。
つまり、伸びλABと伸びλBCの和が縮みλCDに一致しなくてはならない。(λAB+λBC=λCD)
ここまで来たら、仮置きしている内力(今回はQとR)を使ってこの変形の条件を表現してやれば良い。
今回は下図のように整理できる。

変形の条件を内力を使って表現できたら、平衡条件から導出した式と合わせて2つの式が得られる。
あとはこれを連立させて解いていくと、未知の内力QとRを決定できる。

内力が把握できれば、それはつまりこの状況の全貌を理解したことを意味する。あとは聞かれているものに合わせて、計算すれば良いだけだ。
今回の問題では応力を聞かれてので、今求めた内力と各部分の断面形状を元に応力を計算する。
では実際に応力を計算していくが、その前に『単位』の扱いについて触れておきたい。
『単位』を軽く見ている学生は非常に多いのだが、単位が間違っていたら誤った答えに辿りついてしまい、極めて危険だ。
材料力学の計算において、問題文では色々な単位で数値が与えられるかもしれないが、下図のような単位に直してから式に代入するとうまくいくことが多い。

これはなぜかというと、【N/mm2】=【MPa】という関係があるからだ。
これは絶対に知っておくべき関係性なので、しっかり押さえておこう。
ここが分かっていれば、単位について悩むことはなくなるはずだ。

さて、実際に各部分に発生する応力を計算すると、以下のようになる。
内力もしくは断面形状が変われば、そこに発生する応力も変わるので、AB・BC・CDに分けてそれぞれ計算する。

今回の問題では最大応力を問われているが、通常は引張側で最大の応力のことを言うので、この場合はAB部に発生する65.5 MPaがこの構造中の最大の応力ということになる。
類似の材力練習問題
今回と同じく引張圧縮に関する問題を以下にまとめているので、他の問題にもチャレンジしたい人は見てみてほしい。
引張圧縮に関する復習
引張圧縮に関してめちゃくちゃ分かりやすく説明した記事たちはこちら。
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